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20070908.jpg 2006年度5位は、これまた一時夢中になった名前が出てきた。ジャック・ディジョネット。ジャズから離れる前、最も評価していたドラマーだ。全然関係ないが、初めての日本盤、しかも2枚組。正直に言おう。最後まで聞くには激しい睡魔と戦った。

 ギター、オルガン、ドラムというベースレスのトリオ。やっばりベースは欲しい。ドラムが激しくて頭クラクラするときにベースのきちんとしたリズムに頼ることができない。ディジョネットのドラムは相変わらず激しく端正にプッシュされてるが、ジョンスコがなあ。

 最初の印象よりは随分と楽しかったのは認めるが、それも一瞬。オルガンも楽しいがそれも一瞬。なまじ耳慣れたリズムが叩かれる中、全くリハビリが進んでいない証明となってしまった感じがする。ちょい退屈なんよね。2枚組だもんなあ。ここに書くまでに5回は聞いた。10時間は費やした。それでも響かんもんは響かん。ああ、道は遠い。

20070907.jpg 2006年度の4位。マイラ・メルフォード/myra melfordという、20年前にはぜーんぜん聞いたことが無かった名前。まあもうそれは最初の1日を除いてみんなそうなんだけど。うむ。これが現代のジャズか。いちお、ゆっくり始まってどんどん盛り上がって行く、という、非常に当たり前だが大好きな展開が繰り広げられる。こうね。そうね。あのね。好きなんだけどね。静寂の中の喧騒というか、喧騒の中の静寂というか。どんどん聞き込んでしまうんだけど。
 こう、なんか、突き抜けないんだよね。泣かずに感心してしまうっていうか。まだ4日目。リハビリが進むともう少し見えてくるんだろうとは思うけど、とりあえず今はこんな感じすね。
20070906.jpg 順番が狂ってしまいましたが、これがミュージック・マガジン誌による2006年度ジャズアルバム2位。ニック・ベルチェズ・ローニンのストア。これはスゴイ。ECMという、ワガハイも20年前には注目していたレーベルのもの。というか、ジャズ界での本流のものだったので期待は大きかったが、いい意味で裏切られた。

 ワガハイも勿論ジャズばっかり聞いている訳ではなく、ロックもブルースも歌謡曲も聴くのである。なにより型に嵌められる事が嫌いだ。一番大事なものは俺の自由だ。(忌野清志郎©)
 その中でジャズと並んで大きな柱がYMOである。特にYMOのミニマル性が大好きであるのだ。つまり繰り返しだ。じっくりじっくり繰り返しながら徐々にしみ込んでくるような音楽が大好きだ。実生活でもそうありたいもんである。
 しかし、こうしたミニマル・ミュージックが果たしてジャズであることができるのであろうか。最も遠い二つのものをくっつけているような気がする。ジャズの定義とはなんなのか。おおっ。本格的な話題だ。スイングしなけりゃ意味がないってことなら、確かにスイングはしておる。だけど、アドリブはどこにある? と思ってたらしぶーいアドリブがしっかり出てきた。
 でも考えるとジャズのコード循環とミニマルがどーのなんて、誰も何も言ってない。実は同根だとか強引に言えば言えなくもない、のなら新たな視点のジャズ論だな。今はとても考えられんが。うむ。完全に自分の守備範囲を超えてきた。
 ワガハイがジャズを愛する理由の一つに、一種の催眠効果というのがある。強烈にワガママなので、普通の催眠術には掛からない自信があるが、よくできたジャズの中に入り込んでフラフラするのは大好きなのだ。このCDの1時間も、確かにニック・ベルチェの世界に入り込んでフラフラさせて貰いました。
 今までの中では一番のお気に入り。
20070905.jpg

 2006年度、ミュージックマガジン選定3位のATOMICのHAPPY NEW EARS!を聞きました。なんで2位がトんだのかというと、単なる間違いで先に聞いてしまったのであった。


 で、ですな。ジャズというものは、ある程度耳を鍛えなければ判別つかん、という困った種類の音楽でもあります。勿論、分からん、というのは「良くない」「嫌い」の湾曲表現でもあったりするのですが、ジャズの場合は実際に「分からん」という場合が往々にしてあります。


 これでもか〜、という何でもアリというかハチャメチャな音の洪水は、確かに迫力満点で飽きさせず、疲れる音こそ本当のジャズ、というワタクシの信念からするとかなりいいレベルであるのだろうと自分の基準に照らして判断はするのですが、事実上のジャズ再入門者にこれはかなりキツい。


 こういう場合は、最新の音そのものを楽しみながら聞く、という事でお茶を濁したのであった。しっかし、本当に疲れました。振り回される快感、というのも確かにジャズ、特にフリー系列のジャズには大いにアリなんだけどね。

1.jpg 41歳の誕生日を迎えた。去年は大台に乗った、という感慨もあったが、考えると、よくある年齢区分では、41-45歳、なんてのもあって、いよいよ本格的に40台になったと改めて実感する。
 そこで、というのも変だが、ある事情のもと、しばらく大好きなジャズを絶っていたが、いつ死んでもいいように、もうガマンするのは止めにした。今日をきっかけにした訳ではなく、止めにしたのは暫く前だったが、聞き出すともう止まらない。

 ところが、一度レコードやCDを処分してしまっていて、ほとんどない。特にCD。買い直さなきゃならん。決心した。それからというもの、中古を含めて、というか殆ど中古なのであるが、毎日1枚以上のペースでCDを買っているような状態だ。往年の名盤や、レコードを処分したものや抑えていなかったものから購入しているが、とにかく安くなったもんだ。新品でも少し前にユニバーサルが、なかなかの名盤を1100円で、という格安シリーズがあった。ブックオフでの中古価格より安い。150種類でていた。大きな声では言えないがほとんど揃えた。

  しかしです。ワタクシ、信条として、やはり現在進行形のものが聞きたいのである。このこだわりについては、イヤッというほど、誰に頼まれた訳でもないのではあるがまたかならずや別の機会に述べることにする。

  とはいえ、はたと気がついた。暫く音楽自体からも離れていたもんだから、雑誌等の情報源もない。今、どんな人がジャズを引っ張って行ってるのであろうか?
  スイングジャーナルは20年前にとうに見限り、当時ワタクシのジャズ感をひっばっていった、ミュージックマガジンの最新号から、バックナンバーを読みあさった。実はミュージックマガジンもずーっと買ってなかったが、この度バックナンバーを一気に購入した。といってもほとんど中古で。
  で、遡りながら気がついたが、ミュージックマガジン誌では、毎年1月号に前年のジャンル別ベスト10、但しジャズはベスト5、の発表をしている。我ながら自主性のカケラもないとは思うが、他に信頼できるガイドがないので致し方ない。ジャズのベスト1を遡ってみることにした。そのうち、自主性もでてくるのであろう。

  今日取り上げるのは、ミュージックマガジン誌が選んだ、2006年のジャズ1位、Andrew Hillのtime linesである。選定は、尊敬するマーク・ラバポート氏と、松尾史朗氏のお二方。特にマーク・ラバポート氏の炯眼には昔から尊敬し続けていた。

  さって。本当を言うと、1週間ぐらい前に購入し、聞きまくっている。それにしても最新のジャズを、と思って最初に聞いたのが往年のプレイヤー、アンドリュー・ヒルで、しかもブルーノート。何かの因縁だろうか。縁とは全く不思議なものだ。この件、詳細はまた次の機会に。

  チャールズ・トリヴァー/Charles Toliver(tp)--日本語表記はワタクシが勝手に英語から読んでます。輸入盤買ったので、日本語表記がない。f(^^;)--のマイルス・デイヴィスとはまた違った憂いがなんとも言えん。
  
 なんとも言えんので、夜中、二人でドライヴする時のBGMに選んだ。基本的にBGMになるようなジャズは大嫌いなのだが、このアンドリュー・ヒルという、ライオン(ブルーノートの創始者)が最後に見つけたとおぼしきピアノ弾きのピアノは、BGMとして最良、聞き込むと底なし、という両面待ちの恐ろしさなのであった。ま、BGMとして考えると、サックスのグレッグ・ターディ/Greg Tardyの切れ味がちと痛いけど。

  もしかして最後かもしれない二人きりのドライヴに、いい加減なもの選べるかい。
  妙な緊張感が支配していたのは、単純にこの音のせいである。

  またね。短く言い残して彼女は車から降りた。
 さよなら。と一人つぶやいて、ボリューム全開にして家路についたって訳さ。

  ゆっくり情緒に浸ろうと思ったんだけど、これがまた、デカイ音で聞くと強烈なアルバムで、とても情緒に浸らしてくれん。返って良かったんだけど、タイトル・チューンの終わりがフェードアウトってのが妙に気になってしまった。フェードアウトだけは止めてくれ。

  それにしても、久しぶりに聞くジャズとしては、結構堪えた。というか、聞き込む体力が本当になくなっていると痛感した。こりゃいかんぞ。リハビリにはちょっとキツかった。

   あっ。ちなみにタイトルの言葉はシオンのお言葉でございます。

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