始めたら始まりさ Time Lines/Andrew Hill/BLUE NOTE

そこで、というのも変だが、ある事情のもと、しばらく大好きなジャズを絶っていたが、いつ死んでもいいように、もうガマンするのは止めにした。今日をきっかけにした訳ではなく、止めにしたのは暫く前だったが、聞き出すともう止まらない。
ところが、一度レコードやCDを処分してしまっていて、ほとんどない。特にCD。買い直さなきゃならん。決心した。それからというもの、中古を含めて、というか殆ど中古なのであるが、毎日1枚以上のペースでCDを買っているような状態だ。往年の名盤や、レコードを処分したものや抑えていなかったものから購入しているが、とにかく安くなったもんだ。新品でも少し前にユニバーサルが、なかなかの名盤を1100円で、という格安シリーズがあった。ブックオフでの中古価格より安い。150種類でていた。大きな声では言えないがほとんど揃えた。
しかしです。ワタクシ、信条として、やはり現在進行形のものが聞きたいのである。このこだわりについては、イヤッというほど、誰に頼まれた訳でもないのではあるがまたかならずや別の機会に述べることにする。
とはいえ、はたと気がついた。暫く音楽自体からも離れていたもんだから、雑誌等の情報源もない。今、どんな人がジャズを引っ張って行ってるのであろうか?
スイングジャーナルは20年前にとうに見限り、当時ワタクシのジャズ感をひっばっていった、ミュージックマガジンの最新号から、バックナンバーを読みあさった。実はミュージックマガジンもずーっと買ってなかったが、この度バックナンバーを一気に購入した。といってもほとんど中古で。
で、遡りながら気がついたが、ミュージックマガジン誌では、毎年1月号に前年のジャンル別ベスト10、但しジャズはベスト5、の発表をしている。我ながら自主性のカケラもないとは思うが、他に信頼できるガイドがないので致し方ない。ジャズのベスト1を遡ってみることにした。そのうち、自主性もでてくるのであろう。
今日取り上げるのは、ミュージックマガジン誌が選んだ、2006年のジャズ1位、Andrew Hillのtime linesである。選定は、尊敬するマーク・ラバポート氏と、松尾史朗氏のお二方。特にマーク・ラバポート氏の炯眼には昔から尊敬し続けていた。
さって。本当を言うと、1週間ぐらい前に購入し、聞きまくっている。それにしても最新のジャズを、と思って最初に聞いたのが往年のプレイヤー、アンドリュー・ヒルで、しかもブルーノート。何かの因縁だろうか。縁とは全く不思議なものだ。この件、詳細はまた次の機会に。
チャールズ・トリヴァー/Charles Toliver(tp)--日本語表記はワタクシが勝手に英語から読んでます。輸入盤買ったので、日本語表記がない。f(^^;)--のマイルス・デイヴィスとはまた違った憂いがなんとも言えん。
なんとも言えんので、夜中、二人でドライヴする時のBGMに選んだ。基本的にBGMになるようなジャズは大嫌いなのだが、このアンドリュー・ヒルという、ライオン(ブルーノートの創始者)が最後に見つけたとおぼしきピアノ弾きのピアノは、BGMとして最良、聞き込むと底なし、という両面待ちの恐ろしさなのであった。ま、BGMとして考えると、サックスのグレッグ・ターディ/Greg Tardyの切れ味がちと痛いけど。
もしかして最後かもしれない二人きりのドライヴに、いい加減なもの選べるかい。
妙な緊張感が支配していたのは、単純にこの音のせいである。
またね。短く言い残して彼女は車から降りた。
さよなら。と一人つぶやいて、ボリューム全開にして家路についたって訳さ。
ゆっくり情緒に浸ろうと思ったんだけど、これがまた、デカイ音で聞くと強烈なアルバムで、とても情緒に浸らしてくれん。返って良かったんだけど、タイトル・チューンの終わりがフェードアウトってのが妙に気になってしまった。フェードアウトだけは止めてくれ。
それにしても、久しぶりに聞くジャズとしては、結構堪えた。というか、聞き込む体力が本当になくなっていると痛感した。こりゃいかんぞ。リハビリにはちょっとキツかった。
あっ。ちなみにタイトルの言葉はシオンのお言葉でございます。
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