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101901.jpg  ミュージック・マガジン誌は、1980年以前はニュー・ミュージック・マガジンと言っていて、ロック中心の雑誌だったのだが、1980年にリニューアルして、幅広いジャンルを取り上げる、分かりやすく言えば音楽の総合雑誌になった。そこにこそ魅かれて買い続けた訳だ。
 部門別のベストアルバムの発表こそまだ始まっていないが、執筆者による年間ペスト10と、毎月のレコード・レビューのジャズ部門の採点が始まった。
 ここから、注目に値するもの、ジャズ部門レビューの10点満点のものを中心に聴いて行こうと思う。中山康樹氏の著作、この後、後藤雅洋さんの著作等からも取り上げる予定だが、いわゆる60年代以前のジャズの名盤とは違った、現代のジャズ、という視点も無くしたくなく、全く別の評価軸で面白いミュージック・マガジン誌のジャズを、追いかけてみることにする。
 特に80年代前半は、まだ姉妹誌のレコード・コレクターズが始まってなくて、再発ものも取り上げられているので、それなりに、過去のミュージック・マガジン誌のジャズ感、まあそれは、中村とうようさんのジャズ感なんだけど、をなぞることも出来る。結構楽しみだ。
 で、80年のベスト・アルバム選で、中村とうようさんがジャズから1枚選んでいるのが、このアルバム。正確には79年の録音なんだけど、ライナーノートによると、米国ダウンビート誌の最優秀アルバム、フランス・ジャズ・アカデミー・オスカーなどに輝いているという名盤だ。
 1980年4月号で、中村とうようさんが満点評価。それもそのはず、という感じ。このアルバムは、もう15年前にも聴きまくっておりましたが、エリック・ドルフィーに捧げた1曲めの「ワン・フォー・エリック」から、3.4曲目にはコルトレーンの曲を取り上げていて、堂々とジャズの正当な後継であると宣言しているように感じられる。
 ジャック・デジョネットのドラムもごっついが、また、デイヴッド・マレイのバスクラも全く凄い。熱い。
 80年といえば、もう完全に一般的にはジャズは死んだと見做されており、フュージョンが席巻していた時期。マイルスも力尽きて未だ復帰して無かった時期だ。リアルタイムで聴いた人は、ジャズの健在と、ジャズの未来を力強く感じたことであろう。

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