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10131.jpg  1996年の第一位は、実質的には93年に続き、カサンドラにとってはその次作になる「ニュー・ムーン・ドーター」新月娘。
 ワタクシは、いわゆるスタイル的には、フリージャズが好きである。本当は、フリーが少し覗いたぐらいが楽しいであるのであるが、理念的思想的には、ジャズはフリーに向かうものだと思う。だからこそ、そこへ向かい到着する寸前である音が極めて貴重で素晴らしいと思う。前へ、が感じられる。そこがいい。具体的にはエリック・ドルフィーね。
 フリーは、一見訳分からずデタラメで、ともすると単なるコケ脅し的な演奏になる。正直言っちゃうとコケ脅しも大好きなんだけど、そればっかりというのもやっばり飽きる。二度目からは白けてしまうしね。んでも最初はそれに圧倒されてしまう瞬間もあるし、確かに否定しきれない魅力はある。
 だけど、前作と、ここでのカサンドラの音楽を聴くと、初めて聞いて衝撃、次も発見、聞くごとに更なる魅力がある。このようなアルバムはなっかなか無い。いや、きっともう惚れてしまってるんやろなあ、この声に。曲聞く前にドキドキ、会えるだけでドキドキ。いざ会うともう胸が苦しくなる。一言一言、聞き漏らすまいと必死になる。丁度U2の「恋は盲目」という曲もやってるし。ちなみにモンキーズ「恋の終列車」もやってます。
 要は自信、ということなんやな。奇を衒わず本道を歩く。こうしたアルバムに出会えた時、音楽を聴いていて本当に良かったなあと思う。

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