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101501.jpg  さて。2007年度から遡って聴いてきた、ミュージック・マガジン誌選定ジャズ部門第一位アルバム。1998年度の一位である本作が当時未入手だったので、思い切って86年まで遡ってから順番に近年ににじり寄り、そしてその1998年度第一位に辿り着きました。エライッ。これで一応20年間の1位を聴いてきたことになるな。良く頑張ったというか、やっばり音楽を聴く、特にジャズを聴くのは非常に楽しいということだけは間違いなく思い出しましたね。
 で、順番が狂ったのは単に入手に手間取っただけの話なんだけど、この作品を最後に聴いた、というのはまさに神の意思を感じざるを得ません。大げさな。
 ジャズという固定観念を時にはスルドク突きつけられ、おんどりゃこれをどう思うんやと、半ば脅迫的な音もありましたが、これこそ、その最たるものでありましょう。頭にまず浮かぶセリフは、これって、ジャズなの?
 全くもって何かを書くということすら困難を極めるこの作品。仕方なく選評を読む。宮腰浩基さんの文章を読むと、ハウスとか出てくる。そういう音楽ジャンルがあるのは知っていたが、全く聴いたことがないのでワカラン。来年では意味がない、という記述もあり、まさに現代性というか、1998年でこその第一位であったことが読み取れるが。うーむ。
 ジャズは音楽の総合格闘技、というのは好きな表現で紹介したことがあるけど、これはハウスを少しでもかじってないと、なかなか楽しめないのかも。だけど、ボクシングを知らなくても総合格闘技だけでも十分楽しい所もあるにはある。
 2007年、10年後の今聴いても、このおどろおどろしさはなかなか他で聴くことは出来ないと思うし、聴いてると、ビッチズ・ブリューの音とジャケットを思い出す。迫力とかスケールとか威圧感は全然違うけど。なんて思って少しこの、ベニー・モウピンという人を調べると、ありゃっっ。
 ビッチズ・ブリューでおどろおどろしいバスクラ吹いてんの、この人なんや、この人。な〜るほど。そやったんかあ。こうしてきちんと繋がることがあるからジャズは面白い。やっばりこれはジャズやね。f(^^;)
 そう思って本作を聴くと、奇妙に親近感が沸き起こってくる。ゲンキンな奴。しっかし、これを聴いて、ビッチズ・ブリューをなんとなく思い出すとは、サスガ吾輩だ。なんちって。
 なるほどマイルスの蒔いた種はこうして脈々とつながり、育っているのね。ジャズ界最大の問題作は、さらにまた問題作を産んでいた、と。
 ジャズは死なず。
 

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