2012年7月アーカイブ
めっちゃくちゃはまってしまった、永見緋太郎の事件簿シリーズ。相変わらずジャズシーンは素晴らしく、人物描写は面白く、音楽は聞こえてくる。実在のミュージシャンの本当のエピソードを基に書いた話もあって面白い。
ジャズメンなんか、こんな話いっぱいありそうで、いくらでも話書けそうな気がするんだけどなあ。とはいえ、あとがきによると、一旦この本でシリーズは終了。
ああ。寂しい。この寂しさは、筒井康隆の富豪刑事が終わった時や古畑任三郎が終わった時の寂しさだ。なんとしても続けてほしい。まだまだ足りん。
とはいえ、またジャズに関しては違うシリーズを書いてるという話なのでそちらにも期待して、書籍が発売されたら、きちんと購入し読んでみたいと思うのであった。それにしても、特定の音恐怖症って本当にあるのであろうか。
続けて田中啓文さんの本。シリーズものに特有の、主人公にだんだん思い入れが入ってきて、めちゃくちゃ面白くなってきた。
それにしてもやっぱり読む人はちゃんと読んでるな~、と思ったのは、山田正紀さんの解説。収録の「渋い夢」について書いてる。「渋い夢」はかなり強引なトリックがあるけど、きちんと読ませる作品になっていて「日本推理作家協会賞」を受賞している。それは読む前から知っていたので、期待して読んだ。もちろん面白かったんだけど、日本推理作家協会というのは、こういう作品を評価するんだな~、とか思ったりした。どれもこれも面白いんだけどね。
でも、山田さんの解説を読んで、これが本当の意味でのジャズ小説の粋に達していたんだと改めて思った。流石に本職は違うな。改めて読んでみると、まさに指摘された通りで、考えたら、サービスで付いているレコードガイドまで含めて一つの作品になっているように思う。
う~む。
平易な読みやすい文章なので、あっさり見逃していた。そもそも十二分に面白いし。こりゃしばらくはまりそう。
それにしてもやっぱり読む人はちゃんと読んでるな~、と思ったのは、山田正紀さんの解説。収録の「渋い夢」について書いてる。「渋い夢」はかなり強引なトリックがあるけど、きちんと読ませる作品になっていて「日本推理作家協会賞」を受賞している。それは読む前から知っていたので、期待して読んだ。もちろん面白かったんだけど、日本推理作家協会というのは、こういう作品を評価するんだな~、とか思ったりした。どれもこれも面白いんだけどね。
でも、山田さんの解説を読んで、これが本当の意味でのジャズ小説の粋に達していたんだと改めて思った。流石に本職は違うな。改めて読んでみると、まさに指摘された通りで、考えたら、サービスで付いているレコードガイドまで含めて一つの作品になっているように思う。
う~む。
平易な読みやすい文章なので、あっさり見逃していた。そもそも十二分に面白いし。こりゃしばらくはまりそう。
「聴いたら危険!ジャズ入門」で感服した田中啓文さんのジャズミステリー。ジャズミステリーと言い切ってしまうとこぼれ落ちるものも多いかと思うが、まあいいでしょう。
ミステリーの骨格とも言うべきトリックとかは、驚くものではない。古畑任三郎に毛が生えたレベル。特にミステリー好きにとっては、最後まで読めてしまう。これは、何も今や総てのミステリーがすぐに犯人が読めてしまって仕方がない、というレベルの話ではなくて、まあ、自然と見えてくるレベルってこと。
だから、本格ミステリーを期待して読むと全くもって応えてくれないとは思う。だけど、まさか古畑任三郎のトリックがアガサクリスティーのバクりだから面白くない、と言う人が居ないように、この本の楽しむところは、ほかにたっぷりとある。
まず、天は二物を与えず、ジャズ演奏以外には興味がない、はずだが、天然の才能でガンガンと犯人を追い詰めていく永見緋太郎が凄い。あ、二物与えてるか。対して狂言回しでイライラしっぱなしの私、唐島英治と永見の絡みは、古畑任三郎と今泉慎太郎とのやりとりに匹敵する面白さで楽しめる。
そして、卓越した文章力。おそらく日本一だと思われる、ジャズの演奏の描写。本当にスバラシイ。著者は自らもサックスを吹いているのだが、まさに音楽の現場に居る人にしか書けない素晴らしさだ。もちろん、現場に居るだけでもだめ、文章力があるだけでもだめ。両者が絶妙なバランスの上に成り立っている著者の作品を読めるのは、まさに現代における奇跡だっ。
ミステリーの骨格とも言うべきトリックとかは、驚くものではない。古畑任三郎に毛が生えたレベル。特にミステリー好きにとっては、最後まで読めてしまう。これは、何も今や総てのミステリーがすぐに犯人が読めてしまって仕方がない、というレベルの話ではなくて、まあ、自然と見えてくるレベルってこと。
だから、本格ミステリーを期待して読むと全くもって応えてくれないとは思う。だけど、まさか古畑任三郎のトリックがアガサクリスティーのバクりだから面白くない、と言う人が居ないように、この本の楽しむところは、ほかにたっぷりとある。
まず、天は二物を与えず、ジャズ演奏以外には興味がない、はずだが、天然の才能でガンガンと犯人を追い詰めていく永見緋太郎が凄い。あ、二物与えてるか。対して狂言回しでイライラしっぱなしの私、唐島英治と永見の絡みは、古畑任三郎と今泉慎太郎とのやりとりに匹敵する面白さで楽しめる。
そして、卓越した文章力。おそらく日本一だと思われる、ジャズの演奏の描写。本当にスバラシイ。著者は自らもサックスを吹いているのだが、まさに音楽の現場に居る人にしか書けない素晴らしさだ。もちろん、現場に居るだけでもだめ、文章力があるだけでもだめ。両者が絶妙なバランスの上に成り立っている著者の作品を読めるのは、まさに現代における奇跡だっ。