ジャズを書く/Portrait in Jazz 2/和田誠 村上春樹/新潮社

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port.jpg 次聞いてるのが5枚組で、なかなかまた書けそうもないので、読んだ本も取り上げていくことにする。ポートレイト・イン・ジャズ2。
和田誠さんの画に、村上春樹さんが文章を付けたもの。画ももちろんすんばらしいんだけど、文章がまたスバラシイ。 もちろん、いわゆるジャズ評論ではないんだけど、田中さんの時にも感じた、ジャズを本当に好きな気持ちが伝わってくる。文章に魅力がある。本当にうらやましくなる。
ここで取り上げられているミュージシャンは、まあ、正直なところ、我が輩はそんなに好き、という感じではない。けれども、必ず通るミュージシャンでもあるので、取り上げられているアルバムそのものは聞いてなくても、全員何度も耳にしたミュージシャンばかりである。

ああ、この人の音をこういう風に書くのか、こういう風に感じてるのか、ああ、そうだよなあ。

そういった共感の中で唯一強烈に違和感があったのが、クリフォード・ブラウンに関する文章。ワタクシはクリフォード・ブラウンの音楽を溺愛してますよ。まあ溺愛という言葉の定義、意味するところがイマイチわからなかったりはするんだけど。『自堕落でだらしない弱さを含んだ芸術』(36ページ)にはもちろん惹きつけられる。けれどもそういった背景は総て越えて、胸に突き刺さってくる音楽がある。自分にとってはクリフォード・ブラウンの音楽は、まさにそういった音楽の一つだ。

村上さんは言う。『クリフォード・ブラウンの音楽を溺愛しているという人に一度も巡り合ったことがない。』(同)。そうなんだ。そうなのかなあ。

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このページは、吉岡孝が2012年6月20日 12:17に書いたブログ記事です。

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